私は、事前にセミナーに参加していたことから、心のこもった家族葬で父をおくることができました。
きっかけは、親戚のお葬式でした。父の兄に当たる伯父が、お葬式前に葬儀セミナーに出席して、家族葬を執り行ったのです。伯父の家で行われたリビング葬は、お仕着せではなく悲しみにくれる親族に寄り添った心温まるお式でした。
この葬儀に感動した父は、自分もこのようなかたちでおくられたいと、自ら進んでセミナーの資料を取り寄せたのです。セミナーでは、これまでの価値観を揺るがすような新しい考え方についてお話を伺いました。
とくに、死生観や宗教観は、たとえ親族でも、人によって大きく異なるものです。だからこそ、いざというときに親戚同士でもめることのないよう、葬儀については元気なうちに話し合っておくことが重要だということでした。
このことを実感した父は、そのセミナーの席ですっかりその気になり、生前予約をしてしまいました。はじめは驚きましたが、なんといっても細かな相談にまで親身になって乗ってくれるところが、本当によかったです。
それから3年後、父がガンで他界したときに、私は、父の選択に間違いがなかったことを知ったのでした。葬儀社のよりすぐりの葬祭ディレクターの指揮のもと、オーダーメイドともいうべき葬儀には、父の写真がスライドで写り、父の好きだった音楽が流れました。
あのメロディが聞こえてきたときには、思わず温かい涙がこぼれ、生前予約をしておいてよかった、良いお式だったと実感しました。