近年、家族葬だけでなく、ライフスタイルの変化に合わせたまったく新しいかたちの葬儀が営まれるようになってきました。
たとえば、宗教にとらわれない自由葬、故人が愛した音楽をテープや生演奏で聞かせる音楽葬、海に散骨する海洋葬(自然葬)、あるいは宇宙に散骨する宇宙葬など、まさに葬儀自体が生前の人生を象徴するかたちになってきています。
また、葬儀は行わず火葬だけを行うことで、一切合切の費用を10万以内で抑えるという価格優先の考え方、直葬という方法もあります。
そのなかでも、人生80年時代ならではの、自分で自分の葬儀を執り行う生前葬に注目が集まっています。
突然ですが、お葬式と結婚式の違いはなんでしょう? よく考えてみれば、葬式は結婚式と同じように、自分が主役となる式なのに、どうやっても自分だけは出席することができません。
本来は出席できないはずの自分の葬儀に、喪主として主催し、縁のある人やお世話になった人をご招待し、お別れやお礼を述べるのが、生前葬です。 なんといっても、自分の納得いくやりかたで、思い通りの式を執り行うことができるのが、生前葬の特徴です。生前に行われるという点を除けば、通常の葬儀と同じように行うことができますし、戒名も頂くことができます。
しかし現在行われている生前葬の多くは、宗教色は薄く、音楽やスライド、あるいは自費出版による自分史を配布するなど「自分」を発表する場となり、たぶんにイベント的な要素が含まれます。会場としてはホテルや旅館などが選ばれ、なかにはカラオケパーティになることもあるそうです。
生前葬を行う方の多くは、伴侶に先立たれ方や、お子さんがいない方などで、「自分が生きた証を残したい」 「後の憂いを除き、より潔く生きていくために」 など、本人の強い希望がある場合に行われます。必ずしも「縁起が悪い」とは言えない時代になってきているようです。
生前葬を行うにはためらいがあるけれども、自分の目の黒いうちに葬儀の段取りをしておきたいという人には、生前予約という方法があります。 これは葬儀社などと相談しながら、自分の葬儀をどのように執り行いたいか決めておくものです。
こうやって考えてみると、葬儀も、その人の人生なのだと実感せずにはいられません。 生前予約は、いざというときに家族があわてないための優しさともいえますし、遺言のひとつでもありますね。